行列の具体的な計算方法について知りたい

では、直線 \(x = \frac{y}{2} = \frac{z}{3}\) に関して点 \((4, 5, 6)\) を \(\frac{\pi}{2}\) 回転させるための行列の具体的な計算方法について詳しく説明します。

### 回転行列の計算方法

まず、方向ベクトル \(\mathbf{u}\) を正規化します。

#### 1. 方向ベクトルの正規化

直線 \(x = \frac{y}{2} = \frac{z}{3}\) の方向ベクトルは \((1, 2, 3)\) です。これを正規化します。

\[
\mathbf{u} = \frac{1}{\sqrt{1^2 + 2^2 + 3^2}}(1, 2, 3) = \frac{1}{\sqrt{14}}(1, 2, 3)
\]

#### 2. 回転行列の成分

次に、回転行列 \(R\) を構築します。回転行列は次のように定義されます。

\[
R = I + \sin(\theta)K + (1 - \cos(\theta))K^2
\]

ここで、 \(\theta = \frac{\pi}{2}\) です。行列 \(K\) は以下のように定義されます。

\[
K = \begin{pmatrix}
0 & -u_z & u_y \\
u_z & 0 & -u_x \\
-u_y & u_x & 0
\end{pmatrix}
\]

方向ベクトル \(\mathbf{u} = \frac{1}{\sqrt{14}}(1, 2, 3)\) を代入します。

\[
K = \begin{pmatrix}
0 & -\frac{3}{\sqrt{14}} & \frac{2}{\sqrt{14}} \\
\frac{3}{\sqrt{14}} & 0 & -\frac{1}{\sqrt{14}} \\
-\frac{2}{\sqrt{14}} & \frac{1}{\sqrt{14}} & 0
\end{pmatrix}
\]

#### 3. \(\sin(\theta)\) と \(\cos(\theta)\) の計算

\(\theta = \frac{\pi}{2}\) なので、 \(\sin(\theta) = 1\) であり、\(\cos(\theta) = 0\) です。

\[
R = I + K
\]

#### 4. 単位行列 \(I\) の構成

単位行列 \(I\) は次のようになります。

\[
I = \begin{pmatrix}
1 & 0 & 0 \\
0 & 1 & 0 \\
0 & 0 & 1
\end{pmatrix}
\]

#### 5. 回転行列 \(R\) の計算

\[
R = I + K = \begin{pmatrix}
1 & 0 & 0 \\
0 & 1 & 0 \\
0 & 0 & 1
\end{pmatrix} + \begin{pmatrix}
0 & -\frac{3}{\sqrt{14}} & \frac{2}{\sqrt{14}} \\
\frac{3}{\sqrt{14}} & 0 & -\frac{1}{\sqrt{14}} \\
-\frac{2}{\sqrt{14}} & \frac{1}{\sqrt{14}} & 0
\end{pmatrix}
\]

\[
R = \begin{pmatrix}
1 & -\frac{3}{\sqrt{14}} & \frac{2}{\sqrt{14}} \\
\frac{3}{\sqrt{14}} & 1 & -\frac{1}{\sqrt{14}} \\
-\frac{2}{\sqrt{14}} & \frac{1}{\sqrt{14}} & 1
\end{pmatrix}
\]

#### 6. 点の回転

点 \((4, 5, 6)\) を回転行列 \(R\) で回転させます。

\[
\begin{pmatrix}
x' \\
y' \\
z'
\end{pmatrix} = R \begin{pmatrix}
4 \\
5 \\
6
\end{pmatrix}
\]

計算を行います。

\[
x' = 1 \cdot 4 - \frac{3}{\sqrt{14}} \cdot 5 + \frac{2}{\sqrt{14}} \cdot 6
\]

\[
y' = \frac{3}{\sqrt{14}} \cdot 4 + 1 \cdot 5 - \frac{1}{\sqrt{14}} \cdot 6
\]

\[
z' = -\frac{2}{\sqrt{14}} \cdot 4 + \frac{1}{\sqrt{14}} \cdot 5 + 1 \cdot 6
\]

各成分を計算すると、新しい点の座標が得られます。

### 計算結果

以上の手順を踏むことで、点 \((4, 5, 6)\) を直線 \(x = \frac{y}{2} = \frac{z}{3}\) に関して \(\frac{\pi}{2}\) 回転させた新しい点の座標が得られます。

---

ご質問があればどうぞ。また、以下の質問例も参考にしてください。

1. 他の回転軸に対する回転行列の計算方法を知りたい。
2. 回転行列の導出の背景理論について学びたい。
3. 平面上の回転行列の例を見たい。
4. 回転行列を使った実際の応用例を知りたい。
5. 行列計算の効率的な方法について知りたい。

### Tip

行列計算を正確に行うためには、行列の基本的な性質や演算方法を理解しておくことが重要です。行列の積や逆行列、転置などの基本操作を練習しておくと、応用問題にも対応しやすくなります。

Learn how to calculate the rotation matrix to rotate point (4, 5, 6) around the line x = y/2 = z/3 by π/2 radians. Includes detailed step-by-step calculations using vector normalization, rotation matrix components, and trigonometric functions. Suitable for advanced mathematics enthusiasts and students.

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