Math Problem Statement

次の集合 W が R 3 の部分空間になるならばそれを証明し、部分空間にならない場合があるときは反例 をあげよ。ただし x = t (x1, x2, x3) とする。 (1) { x ∈ R 3 | x1 = x3 } (2) { x ∈ R 3 | x1 < x2 < x3 } (3) { x ∈ R 3 | x2 = 0} (4) { x ∈ R 3 | x1 ̸= x3 }

Solution

集合 WWR3\mathbb{R}^3 の部分空間となるかどうかを判断するためには、次の条件を満たす必要があります:

  1. 零ベクトルの存在: 部分空間には零ベクトル (0\mathbf{0}) が含まれている。
  2. 加法の閉性: u,vW\mathbf{u}, \mathbf{v} \in W ならば u+vW\mathbf{u} + \mathbf{v} \in W である。
  3. スカラー倍の閉性: uW\mathbf{u} \in W かつ cRc \in \mathbb{R} ならば cuWc\mathbf{u} \in W である。

これを基に各集合について判定を行います。


(1) W={xR3x1=x3}W = \{ x \in \mathbb{R}^3 \mid x_1 = x_3 \}

  1. 零ベクトル: 0=(0,0,0)\mathbf{0} = (0, 0, 0) を考えると 01=030_1 = 0_3 が成り立つため、零ベクトルは WW に含まれる。
  2. 加法の閉性: u=(u1,u2,u3)\mathbf{u} = (u_1, u_2, u_3), v=(v1,v2,v3)W\mathbf{v} = (v_1, v_2, v_3) \in W のとき、u1=u3u_1 = u_3 および v1=v3v_1 = v_3 が成り立つ。
    このとき、u+v=(u1+v1,u2+v2,u3+v3)\mathbf{u} + \mathbf{v} = (u_1 + v_1, u_2 + v_2, u_3 + v_3) であり、(u1+v1)=(u3+v3)(u_1 + v_1) = (u_3 + v_3) も成り立つため、加法の閉性を満たす。
  3. スカラー倍の閉性: u=(u1,u2,u3)W\mathbf{u} = (u_1, u_2, u_3) \in W かつ cRc \in \mathbb{R} のとき、cu=(cu1,cu2,cu3)c\mathbf{u} = (cu_1, cu_2, cu_3) であり、cu1=cu3cu_1 = cu_3 が成り立つため、スカラー倍の閉性を満たす。

結論: WW は部分空間である。


(2) W={xR3x1<x2<x3}W = \{ x \in \mathbb{R}^3 \mid x_1 < x_2 < x_3 \}

  1. 零ベクトル: 0=(0,0,0)\mathbf{0} = (0, 0, 0) を考えると、01=02=030_1 = 0_2 = 0_3 であり、01<02<030_1 < 0_2 < 0_3 は成り立たないため、零ベクトルが含まれない。

結論: 零ベクトルの条件を満たさないため、WW は部分空間ではない。
反例: 0=(0,0,0)W\mathbf{0} = (0, 0, 0) \notin W


(3) W={xR3x2=0}W = \{ x \in \mathbb{R}^3 \mid x_2 = 0 \}

  1. 零ベクトル: 0=(0,0,0)\mathbf{0} = (0, 0, 0) を考えると 02=00_2 = 0 であるため、零ベクトルは WW に含まれる。
  2. 加法の閉性: u=(u1,u2,u3)\mathbf{u} = (u_1, u_2, u_3), v=(v1,v2,v3)W\mathbf{v} = (v_1, v_2, v_3) \in W のとき、u2=v2=0u_2 = v_2 = 0
    このとき、u+v=(u1+v1,u2+v2,u3+v3)=(u1+v1,0,u3+v3)\mathbf{u} + \mathbf{v} = (u_1 + v_1, u_2 + v_2, u_3 + v_3) = (u_1 + v_1, 0, u_3 + v_3) であり、x2=0x_2 = 0 を保つため加法の閉性を満たす。
  3. スカラー倍の閉性: u=(u1,u2,u3)W\mathbf{u} = (u_1, u_2, u_3) \in W かつ cRc \in \mathbb{R} のとき、cu=(cu1,cu2,cu3)=(cu1,0,cu3)c\mathbf{u} = (cu_1, cu_2, cu_3) = (cu_1, 0, cu_3) であり、スカラー倍の閉性を満たす。

結論: WW は部分空間である。


(4) W={xR3x1x3}W = \{ x \in \mathbb{R}^3 \mid x_1 \neq x_3 \}

  1. 零ベクトル: 0=(0,0,0)\mathbf{0} = (0, 0, 0) を考えると 01=030_1 = 0_3 であるため、01030_1 \neq 0_3 を満たさない。よって、零ベクトルは WW に含まれない。

結論: 零ベクトルの条件を満たさないため、WW は部分空間ではない。
反例: 0=(0,0,0)W\mathbf{0} = (0, 0, 0) \notin W


まとめ

  1. (1) 部分空間である。
  2. (2) 部分空間ではない(反例: 零ベクトルが含まれない)。
  3. (3) 部分空間である。
  4. (4) 部分空間ではない(反例: 零ベクトルが含まれない)。

質問の追加例:

  1. ベクトル空間の加法やスカラー倍の閉性について具体的に説明してください。
  2. Rn\mathbb{R}^n の部分空間を判定する別の例を教えてください。
  3. 条件 x1<x2<x3x_1 < x_2 < x_3 を満たす点が集合に与える制約について詳しく説明してください。
  4. 零ベクトルが存在しない集合が部分空間にならない理由を説明してください。
  5. Rn\mathbb{R}^n の部分空間の例をいくつか挙げてください。

ワンポイントアドバイス:

部分空間の判定ではまず「零ベクトルが含まれるか」を確認するのが効率的です。

Ask a new question for Free

By Image

Drop file here or Click Here to upload

Math Problem Analysis

Mathematical Concepts

Linear Algebra
Vector Spaces
Subspaces of R^n

Formulas

Conditions for a subset to be a subspace: (1) zero vector inclusion, (2) closure under addition, (3) closure under scalar multiplication

Theorems

Subspace Test Theorem

Suitable Grade Level

Undergraduate (First-Year Linear Algebra)